たまに出現する猫
ようこそ砂漠cafeへ
静天凪です。
ここでは、時に不思議な事が起こります。
あの世に住んでいるはずの猫が時折現れるのです。
彼女はいつも突然現れてヘネシーを注文し、時にボブマーレイを聴き、
そして突然消えてしまいます。
今日も開店前、カウンターに背を向けてグラスやコーヒー豆のチェックをしていると
カウンターのほうから声が聞こえてきました。
「ずいぶん働き者だこと」
私「ああ。君か。しばらくぶりだね」
猫「少し早かったかしら」
私「構わないよ。君ならいつでも歓迎だ」
猫「いつものを」
私「ヘネシーだね。しかし君、いつもあちらの世界では何をしてるの?」
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猫「この世と大して変わらないわ。お散歩したり、ねころんだり、草やお花の匂いを嗅いだり・・・」
私「貴族的だね。君の飼い主は?」
猫「わたしのご主人様は貴族なのよ。でも今は会えないの」
私「どうして?」
猫「死んだ者はね、一番好きなひとの前ではこの世に姿を現してはいけない事になってるの。あのお方を除いては」
私「あのお方?神様かな?そりゃあ寂しいね。私の前ではしょっちゅう現れるけど、私は好きじゃないの?」
猫「そういう意味じゃないのよ。気を悪くしないでね。あの世の決まりみたいなものなのよ。でもご主人様がこの世の生を終えたら、また会えるのよ」
私「会えないって辛いだろ?」
猫「ボブの歌をかけてくれない?」
私「曲は?」
猫「Is This Love」
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猫「わたしね、生きてる時この世で一番心地よかった思い出があるの」
私「どんな?」
猫「ご主人様がわたしを草原につれていってくれた思い出。春の温かい風がいろんな花や草の匂いを届けてくれていた。ご主人様と歩いたあの広い草原!」
私「君を草原に?ご主人様は優しいひとなんだね」
猫「あの日以来、あちらの世界では毎日草原を散歩しているのよ」
私「そうか。草原はうつくしいからね」
猫「ええ。とっても」